大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(オ)149 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士鮫島武次の上告理由第一点について。

原判決は、真正に成立したものと認定した甲第一号証約束手形の表面並びに同裏

面及び甲第二号証の三、四中の成立に争なき印影の部分、成立に争のない甲第二号

証の一、二、原審証人D、E、Fの各証言(但しFの証言中措信しない部分を除く。)

及び被控訴人本人訊問の供述を総合して、判示貸金をするにあたり控訴人(上告人)

が連帯保証並びに判示白地裏書を為した事実を明確に認定していることはその判示

に照し明白である。されば、原判決には所論のように一言も上告人の債務保証行為

につき審理をしないで手形行為即債務保証行為なりとした審理不尽乃至理由の不備

又は齟齬の違法は認められない。

同第二点について。

原判決が甲第一号証の表面の部分の真正に成立した事実並びにその裏面及び甲第

二号証の三、四中の印影につき争のない事実と原判決挙示の証言とを総合して、甲

第一号証約束手形の裏面部分並びに甲第二号証の三、四の各文書を作成した事実を

認定すると共に「右各文書の作成は当時右住所の二階に病臥中であつたGの委任に

基いてなされたものと推認することができるので右甲第一号証の約束手形の裏書部

分は控訴会社作成の文書として……真正に成立したものと認められる」旨判示した

ことは所論のとおりである。そして、右事実並びに証拠を綜合すれば、右のごとき

推認を肯認するに難くはないのであつて、その間経験則等に反する違法を認めるこ

とはできない。されば、所論は、結局原審の認定非難に帰し採用し難い。

同第三点、第四について。

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原判決は、前示のごとき直接間接の証拠によつて上告会社の連帯保証及び裏書を

認定したものであつて、論旨第四点指摘の証人Fの証言は原判決の措信しなかつた

ところであり、同証人Eの証言は右認定を動かすことができないものとしたもので

ある。そして、当裁判所は論旨第三点指摘のごとき商慣例の存在を肯認することは

できないし(証人Eの証言によつても本件印を会社の小切手等に使用している事実

を認めることができる。)、その余の主張は、原審の裁量に属する証拠の取捨判断

を非難するに帰するものと思われるから、論旨はすべて採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で主文の

とおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 真 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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